■批判的な観点から素材としてしか まずとりあげることはない『産経新聞』(笑)。先週の記事から。
慰安婦問題 下院非難決議案
【ワシントン=山本秀也】いわゆる慰安婦問題に関する米下院での対日非難決議案について、米紙ニューヨーク・タイムズは6日の社説で、「日本に全面的な責任受諾を迫る国は米国にとどまらない。韓国、中国も日本のあいまいな姿勢に長年憤っているのだ」と主張した。慰安婦に関して、ここまで明確に米中韓の“反日連帯”を主張したケースはリベラル系メディアでもまれだ。
「慰安ではない」と題した社説は、書き出しで慰安婦問題を「日本軍の性的奴隷」と言い換え、日本統治下の朝鮮半島で兵士との性行為を提供するよう求められていたと断言。こうした性行為は「売春ではなく、連続レイプだった」と指摘した。
そのうえで、慰安婦問題で強制性を裏付ける証拠はなかったとした安倍晋三首相の発言については、「首相は傷ついた日本の国際的な声望を修復するよりも、あの恥ずべき行為が民間の営利活動だったとする自民党内右派にすり寄っているようだ」と激しく非難する社説を掲載した。
社説は「恥ずべき過去を乗り越える最初の一歩」として、(1)日本の国会による公式謝罪(2)生存者に対する公的な賠償金支払い−を要求している。
-----------------------------------
■いわゆる「従軍慰安婦(=軍用性的奴隷)」問題での、安倍っちらの責任否定発言をめぐっての騒動である。■要は、「従軍慰安婦」という事実は否定できないぐらいまで世界の認識水準がかたまってしまったので、@日本軍の公式な指令をしめすような文書は発見されていない(≒「文書がなく、『奴隷にされた』といいつのる老婆しか証言者がいないんだから、うたがわしきは被告人の有利に、だよね」といいたい)、■A「証言者の女性たちは、みんな売春婦で、同意して従軍していた」と、おもいたい。■B「東アジア反日包囲網の一環としての、中国・韓国などが 反日運動のネタとして、戦争被害をいいたてさせて、ナショナリズムにガソリンをそそぎ、各種の外交交渉で有利にことをはこびたい、っていう策動なんだ」って、おもっている(あるいは、そういう「物語」として印象づけたい」って、保守派の積年のウラミを安倍っちらが、正直にくちにしてしまったわけだ。■「慰安婦関係調査結果発表に関する河野内閣官房長官談話」っていう、右派にとっては ゆるしがたい声明を、帳消しににしたいって、積年のね。■ところが、中韓両国からの反発は充分予想してはいたものの、宗主国アメリカのメディアにしかられてしまったものだから、右往左往しているわけだ。「米中韓の“反日連帯”」なんて、感情的なきめつけは、みずからのイデオロギー性に無自覚か、策動をたくらむ意図がロコツだね。
■いや、産経の山本秀也さんとか、東京のデスクとかは、購読主体の右派読者層に、「個々までひどいことをいわれていいのか?」式の感情論をひきおこそうって、ナショナリスティックな動機であげているんだろうけど。■「交戦権をうばったり、不必要にすすみすぎた男女同権をもりこんだ日本国憲法をおしつけやがった連中が、またやりやがった」って、したうちがきこえてきそうだ。
■でもって、この件の愚劣な構図については『モジモジ君の日記。みたいな。』の先週の記事が、もっともすっきりしているとおもう。
慰安婦問題 下院非難決議案
NYタイムズ社説、
米中韓が“反日連帯”
2007年3月7日(水)15:55(産経新聞) 【ワシントン=山本秀也】いわゆる慰安婦問題に関する米下院での対日非難決議案について、米紙ニューヨーク・タイムズは6日の社説で、「日本に全面的な責任受諾を迫る国は米国にとどまらない。韓国、中国も日本のあいまいな姿勢に長年憤っているのだ」と主張した。慰安婦に関して、ここまで明確に米中韓の“反日連帯”を主張したケースはリベラル系メディアでもまれだ。
「慰安ではない」と題した社説は、書き出しで慰安婦問題を「日本軍の性的奴隷」と言い換え、日本統治下の朝鮮半島で兵士との性行為を提供するよう求められていたと断言。こうした性行為は「売春ではなく、連続レイプだった」と指摘した。
そのうえで、慰安婦問題で強制性を裏付ける証拠はなかったとした安倍晋三首相の発言については、「首相は傷ついた日本の国際的な声望を修復するよりも、あの恥ずべき行為が民間の営利活動だったとする自民党内右派にすり寄っているようだ」と激しく非難する社説を掲載した。
社説は「恥ずべき過去を乗り越える最初の一歩」として、(1)日本の国会による公式謝罪(2)生存者に対する公的な賠償金支払い−を要求している。
-----------------------------------
■いわゆる「従軍慰安婦(=軍用性的奴隷)」問題での、安倍っちらの責任否定発言をめぐっての騒動である。■要は、「従軍慰安婦」という事実は否定できないぐらいまで世界の認識水準がかたまってしまったので、@日本軍の公式な指令をしめすような文書は発見されていない(≒「文書がなく、『奴隷にされた』といいつのる老婆しか証言者がいないんだから、うたがわしきは被告人の有利に、だよね」といいたい)、■A「証言者の女性たちは、みんな売春婦で、同意して従軍していた」と、おもいたい。■B「東アジア反日包囲網の一環としての、中国・韓国などが 反日運動のネタとして、戦争被害をいいたてさせて、ナショナリズムにガソリンをそそぎ、各種の外交交渉で有利にことをはこびたい、っていう策動なんだ」って、おもっている(あるいは、そういう「物語」として印象づけたい」って、保守派の積年のウラミを安倍っちらが、正直にくちにしてしまったわけだ。■「慰安婦関係調査結果発表に関する河野内閣官房長官談話」っていう、右派にとっては ゆるしがたい声明を、帳消しににしたいって、積年のね。■ところが、中韓両国からの反発は充分予想してはいたものの、宗主国アメリカのメディアにしかられてしまったものだから、右往左往しているわけだ。「米中韓の“反日連帯”」なんて、感情的なきめつけは、みずからのイデオロギー性に無自覚か、策動をたくらむ意図がロコツだね。
■いや、産経の山本秀也さんとか、東京のデスクとかは、購読主体の右派読者層に、「個々までひどいことをいわれていいのか?」式の感情論をひきおこそうって、ナショナリスティックな動機であげているんだろうけど。■「交戦権をうばったり、不必要にすすみすぎた男女同権をもりこんだ日本国憲法をおしつけやがった連中が、またやりやがった」って、したうちがきこえてきそうだ。
■でもって、この件の愚劣な構図については『モジモジ君の日記。みたいな。』の先週の記事が、もっともすっきりしているとおもう。
2007-03-07
■従軍慰安婦問題──何が問題なのか
広義の狭義のと、安倍がこの問題についてロクに知らないのがよくわかる。手元に資料がないので大雑把になるが、従軍慰安婦問題の何が問題なのか、簡単に整理してみる。
第一に、軍の行く先々に慰安所を開設することは日本軍が立案して業者を手配している、つまり、日本軍が完全にイニシアティブをとっているという点がある。日本軍にとって慰安婦は軍需物資であり、慰安所は兵站の一部だった。業者が軍の需要を見込んで慰安所開設を持ちかけた、という形のものではない。
第二に、業者が慰安婦を徴用する際に、「兵隊の食事の煮炊きなどのお手伝いの仕事がある」などの嘘による勧誘、前借金や暴力的威圧などによる強要といった手段が多く用いられた点がある。多くの証言から、兵隊や官憲が直接行ったというケース(狭義の強制)は報告されておらず、軍の依頼を受けた業者が行った(広義の強制)のが一般的だった、ということになっている。ただ、いずれにせよ慰安婦たちの多くが意に反して集められたという点、意に反して集められた慰安婦の移動(輸送)等々に軍が便宜を払っており、てゆーか元々完全に軍の発案で進められていたことだからこうした徴用の実態を「知りませんでした」で通るわけもなく、日本軍・日本政府の責任は当然あったと考えられる。
第三に、こうした意に反して連れてこられた多くの慰安婦たちが、その自発的意思に基づいて故郷に返される、ということもなく、しばしば長期に渡って奴隷的監禁状態に置かれたということ。慰安所の設営や管理の多くの面で軍が関与しており(慰安婦が逃げ出さないように警備するといったことも含む)、日本軍・日本政府の責任も当然あった。
以上のことは、たとえば発見されている資料であるとか、元慰安婦や元日本兵たちの証言とも整合的であり、歴史学的には当面決着がついている。絶対覆らないとは言わないが、そのためには画期的な新史料の発見が必要。まぁ、ちょっとあり得ないけど。と同時に、政治的にも一応、決着がついた問題である。河野談話は、以上の内容をすべて認めているのだから。これをひっくり返すというのであれば、つまりは一国の外交上の公式見解として発表したものをひっくり返すのであれば、それ相応の新史料が持ち出されるのでなければならないが、もちろん、そんなものは存在しない。
安倍がうわ言のように「狭義の強制はなかった」と繰り返しているのは、第二の論点に関わるもの。当初、吉田清治という人物が「自分が慰安婦狩りをやった」(=狭義の強制があった)と証言したが、後に秦郁彦が調査して嘘だったことが判明したという一件がある。ただし、この論点は、第二の論点=徴用に関わる論点の、そのまた一部でしかない。「徴用において日本軍・日本政府の責任はあったか」という問いならば、文句なしに「あった」となる。ただ、その徴用の仕方に違いがある、という、さらに派生的な話。繰り返しになるけれども、全体として日本軍・日本政府の関与と責任が否定できないという点において、日本の一部の歴史修正主義者以外は一致している。・・・その歴史修正主義者が政権トップとそのブレーンにうじゃうじゃいる、というのが末期的な状況なわけだけど。頼むから、これ以上「国益」を損なわないうちに退陣してほしい。
-----------------------------------------
■「国益」うんぬんをのぞけば、もうしぶんない整理だとおもう。■「国益」だって、「」つきってっことは、「(自分たち左派/リベラルを反日・売国奴よばわりする)おまえら自称愛国主義者の主張と矛盾するだろうが」って、いいたいんだとおもうけど。
慰安婦問題、
【ロサンゼルス=古沢由紀子】米紙ロサンゼルス・タイムズは7日付社説で、従軍慰安婦問題への安倍首相の対応を批判し、「現在の天皇が、日本の近隣諸国に謝罪すべきだ」などと論じた。
慰安婦問題では6日にもニューヨーク・タイムズ紙が首相を批判した。
社説は「日本が戦時中の行為を完全に認めようとしないことは、(アジア諸国の良好な関係を望む)米国との同盟関係の潜在能力を阻害している」と指摘。
また、「戦時中の天皇の息子である現在の天皇が、関係を修復するには最適の人物だ」と主張した。
(2007年3月8日12時7分 読売新聞)
----------------------------------------------
■天皇をふくめた皇族には、なんら期待なんぞかけないが、東京大空襲をふくめた国民への負債、昭和天皇たち軍首脳部のアジアへの贖罪という意味では、結構な提案だとおもう。■京都に、退場されるまえに、かならずね。
●「「証拠がない」と言いつのる人の多さが証拠を無くすわけではありません。(従軍慰安婦の徴用の強制性を否定する安倍首相の発言についての私の立場)」
●「■「軍隊慰安婦」問題をなきものとする日本政府の嘘と隠蔽を許すな!」
●「■[声明]日本軍「慰安婦」問題に関する声明 (転載推奨)」
●「安倍内閣の「慰安婦」に対する感性/半月城」
●“What impact will Abe's sex slave 'coercion' remarks have?”〔BBC News〕
●「トラックバック・ピープル 安倍晋三」
【追記 2008/11/27】
●日記内「慰安婦」関連記事
●日記内「奴隷」関連記事
●日記内「小林よしのり」関連記事
■従軍慰安婦問題──何が問題なのか
広義の狭義のと、安倍がこの問題についてロクに知らないのがよくわかる。手元に資料がないので大雑把になるが、従軍慰安婦問題の何が問題なのか、簡単に整理してみる。
第一に、軍の行く先々に慰安所を開設することは日本軍が立案して業者を手配している、つまり、日本軍が完全にイニシアティブをとっているという点がある。日本軍にとって慰安婦は軍需物資であり、慰安所は兵站の一部だった。業者が軍の需要を見込んで慰安所開設を持ちかけた、という形のものではない。
第二に、業者が慰安婦を徴用する際に、「兵隊の食事の煮炊きなどのお手伝いの仕事がある」などの嘘による勧誘、前借金や暴力的威圧などによる強要といった手段が多く用いられた点がある。多くの証言から、兵隊や官憲が直接行ったというケース(狭義の強制)は報告されておらず、軍の依頼を受けた業者が行った(広義の強制)のが一般的だった、ということになっている。ただ、いずれにせよ慰安婦たちの多くが意に反して集められたという点、意に反して集められた慰安婦の移動(輸送)等々に軍が便宜を払っており、てゆーか元々完全に軍の発案で進められていたことだからこうした徴用の実態を「知りませんでした」で通るわけもなく、日本軍・日本政府の責任は当然あったと考えられる。
第三に、こうした意に反して連れてこられた多くの慰安婦たちが、その自発的意思に基づいて故郷に返される、ということもなく、しばしば長期に渡って奴隷的監禁状態に置かれたということ。慰安所の設営や管理の多くの面で軍が関与しており(慰安婦が逃げ出さないように警備するといったことも含む)、日本軍・日本政府の責任も当然あった。
以上のことは、たとえば発見されている資料であるとか、元慰安婦や元日本兵たちの証言とも整合的であり、歴史学的には当面決着がついている。絶対覆らないとは言わないが、そのためには画期的な新史料の発見が必要。まぁ、ちょっとあり得ないけど。と同時に、政治的にも一応、決着がついた問題である。河野談話は、以上の内容をすべて認めているのだから。これをひっくり返すというのであれば、つまりは一国の外交上の公式見解として発表したものをひっくり返すのであれば、それ相応の新史料が持ち出されるのでなければならないが、もちろん、そんなものは存在しない。
安倍がうわ言のように「狭義の強制はなかった」と繰り返しているのは、第二の論点に関わるもの。当初、吉田清治という人物が「自分が慰安婦狩りをやった」(=狭義の強制があった)と証言したが、後に秦郁彦が調査して嘘だったことが判明したという一件がある。ただし、この論点は、第二の論点=徴用に関わる論点の、そのまた一部でしかない。「徴用において日本軍・日本政府の責任はあったか」という問いならば、文句なしに「あった」となる。ただ、その徴用の仕方に違いがある、という、さらに派生的な話。繰り返しになるけれども、全体として日本軍・日本政府の関与と責任が否定できないという点において、日本の一部の歴史修正主義者以外は一致している。・・・その歴史修正主義者が政権トップとそのブレーンにうじゃうじゃいる、というのが末期的な状況なわけだけど。頼むから、これ以上「国益」を損なわないうちに退陣してほしい。
-----------------------------------------
■「国益」うんぬんをのぞけば、もうしぶんない整理だとおもう。■「国益」だって、「」つきってっことは、「(自分たち左派/リベラルを反日・売国奴よばわりする)おまえら自称愛国主義者の主張と矛盾するだろうが」って、いいたいんだとおもうけど。
慰安婦問題、
LAタイムズ紙も安倍首相の対応を批判
【ロサンゼルス=古沢由紀子】米紙ロサンゼルス・タイムズは7日付社説で、従軍慰安婦問題への安倍首相の対応を批判し、「現在の天皇が、日本の近隣諸国に謝罪すべきだ」などと論じた。
慰安婦問題では6日にもニューヨーク・タイムズ紙が首相を批判した。
社説は「日本が戦時中の行為を完全に認めようとしないことは、(アジア諸国の良好な関係を望む)米国との同盟関係の潜在能力を阻害している」と指摘。
また、「戦時中の天皇の息子である現在の天皇が、関係を修復するには最適の人物だ」と主張した。
(2007年3月8日12時7分 読売新聞)
----------------------------------------------
■天皇をふくめた皇族には、なんら期待なんぞかけないが、東京大空襲をふくめた国民への負債、昭和天皇たち軍首脳部のアジアへの贖罪という意味では、結構な提案だとおもう。■京都に、退場されるまえに、かならずね。
●「「証拠がない」と言いつのる人の多さが証拠を無くすわけではありません。(従軍慰安婦の徴用の強制性を否定する安倍首相の発言についての私の立場)」
●「■「軍隊慰安婦」問題をなきものとする日本政府の嘘と隠蔽を許すな!」
●「■[声明]日本軍「慰安婦」問題に関する声明 (転載推奨)」
●「安倍内閣の「慰安婦」に対する感性/半月城」
●“What impact will Abe's sex slave 'coercion' remarks have?”〔BBC News〕
●「トラックバック・ピープル 安倍晋三」
【追記 2008/11/27】
●日記内「慰安婦」関連記事
●日記内「奴隷」関連記事
●日記内「小林よしのり」関連記事








この問題で、ネットからアクセスできる政府発表、公文書、一次資料、他参考サイト等 [ReadMore]